【研修会報告「多職種でつなぐAdvance・Care・Planning」】 2019年12月14日(土)午後14時より、大阪府在宅医療普及促進事業研修会「多職種でつなぐAdvance・Care・Planning」を開催いたしました。 快晴の師走の土曜日でしたが、合計115名が世界遺産仁徳天皇陵を窓から見ることができるフェニーチェ堺3階文化交流室に集まり、熱心に受講されました。 Advance・Care・Planning(以下ACP)は、平成30年に改定された「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」をもとに、「これからの治療・ケアに関する話し合い〜アドバンス・ケア・プランニング」として、普及・啓発をすすめられています。(厚生労働省)愛称は「人生会議」とされ、最近ではよしもとの小藪さんを起用したポスターで話題となりました。批判を受けてしまったわけですが、「人生会議」というキーワードを広めるには、ひと役買ったことになるかもしれません。 堺市では、ACP関連の研修は、数年前から医師会や病院などで、行われていました。そのため、今回の研修の参加者募集の際には、お誘いした数名から、「ACPはもうお腹いっぱい」といった声が聞こえるほどでした。 しかし、今回の「多職種でつなぐAdvance・Care・Planning」は、厚生労働省の委託事業「人生の最終段階における医療体制整備事業」で開催している「患者の意向を尊重した意思決定のための相談員研修会(E-FIELD)」を参考に、グループワークを取り入れた内容で、今までのACP関連研修会とは一味も二味も違うものとして企画しました。 E-FIELDは1日がかりの研修で、研修機会も限られています。今回は、その内容に触れながら、多職種での意思決定支援を学ぶことを目的としました。E-FIELDの中では、STEP-1になります。 第1部で、「多職種におけるACP」について、堺市立総合医療センター副院長 大里先生から、大枠のお話をいただいた後、第2部「ACPにそった意思決定支援を学ぶ」を、座長に近畿中央呼吸器センター 所先生、進行をベルランド総合病院 山武謳カにお願いし、グループワークでは上記3名の先生方のほか、緩和ケアの先生方を含めた7名、合計10名のファシリテーターにご協力いただきました。 以下は、受講者の皆さまにご協力いただいたアンケートからの内容です。(回収率93%) ACPについて、受講前に「聞いたことはあるがよく知らなかった」「知らなかった」という方が、69%いらっしゃいました。そして受講後には、「非常に理解できた」「ある程度理解できた」という方ばかりになりました。研修会のアンケートでは、「あまり理解できなかった」という答えがひとりやふたりはでるものですが、それが全くなかったというのは、グループワークを通して、経験豊富なファシリテーターからの助言を受けながら、具体的な支援について話し合うことができ、理解することができたのではないかと思います。 「ACPは終末期の意思決定支援のことだと考えていたが、本来の意味は違うものだと理解できた」「ACPの入り口が理解できた」「その人を知るためにチームで関わり、時間をかけて普段からの関わりが大切にしなければならない」「本人の意思決定する能力を簡単に否定してはならないことがわかった」など、多くの感想もいただき、受講された方々が、患者・利用者との関わりが、受講をきっかけに少しずつ変化されるのではないかと思います。 しかし、時間の関係上グループワークの時間が少なく不完全燃焼という声も少なからずあります。研修会についてのご意見は、今後の企画の参考にさせていただきます。アンケートへのご協力ありがとうございました。 なお、厚生労働省のE-FIELD資料は、下記から閲覧することができます。ぜひご参考ください。 endoflife2018.umin.jp/document.html 「平成30年度厚生労働省委託事業 人生の最終段階における医療体制整備事業 一般公開用資料」 |